three「three is a magic number 21」

　ホワイトストーンギャラリー銀座新館で、threeによる個展「three is a magic number 21」が開催されている。

　threeは福島県出身の3人組アーティスト・ユニット。漫画・アニメ・ゲームに登場するキャラクターのフィギュアといった嗜好品を大量に用いた立体、魚型のプラスチック醤油差しなどでつくる巨大インスタレーションで知られる。「大量生産／消費」と「自己同一性 アイデンティティ」を根幹に、「自己」「他者」「知覚」「認識」といったファクターを内在させつつ、「フィジカル／デジタル」、「二次元／三次元」といった異相間の対比構造をあぶり出す。

　本展では、完成品として世に出回るフィギュアをあえて素材とした作品群を展示。何千体ものフィギュアは分解され熱で溶かされることで、キャラクターの「性格」や「帰属」といった本来のストーリーを失い、「色」と「重量」を呈する無機質な物質性へと還元される。threeは、何千体にも及ぶ夥しい数のフィギュアをひたすら解体し、刻み、溶かす、オートマティックな過程の連続で、切断の美が得られるという。