EXHIBITIONS
米田知子「氷晶」
シュウゴアーツで、米田知子による個展「氷晶」が開催されている。
20世紀の波に翻弄された人物の内奥に迫る「見えるものと見えないもののあいだ」、かつてそこに発生した出来事の痕跡を切り取る「Scene」など、米田の作品はつねに歴史性や場の記憶と深く結びついている。そしてその制作の根底には人類を含めた生に対する真摯な想いと平和への切なる願いがあるということは思いのほか語られてこなかった。本展は米田が自然界の儚くも雄大な存在にフォーカスを当て「私たちは皆、制御不能な大きな一体感のなかにいる小さな存在」であることを示唆する作品で構成されている。
2013年から23年までに撮影された氷晶シリーズはフィンランドの凍てつく寒さのなかで撮影されてきた。これらの小さな氷の結晶は少しの環境の変化で消えてしまうが、繰り返しその姿を地上に現すという自然のサイクルを感じさせる存在でもある。同じくシベリア鉄道旅行中に撮影した《氷晶、シベリア I・II》(1998/2023)、ラップランド(フィンランド)・キルピスヤルヴィ村で撮影された「Auroraシリーズ」、17世紀絵画でヴァニタス(虚栄)の象徴として描かれるシャボン玉をモチーフとした作品など約24点が初披露となる。
20世紀の波に翻弄された人物の内奥に迫る「見えるものと見えないもののあいだ」、かつてそこに発生した出来事の痕跡を切り取る「Scene」など、米田の作品はつねに歴史性や場の記憶と深く結びついている。そしてその制作の根底には人類を含めた生に対する真摯な想いと平和への切なる願いがあるということは思いのほか語られてこなかった。本展は米田が自然界の儚くも雄大な存在にフォーカスを当て「私たちは皆、制御不能な大きな一体感のなかにいる小さな存在」であることを示唆する作品で構成されている。
2013年から23年までに撮影された氷晶シリーズはフィンランドの凍てつく寒さのなかで撮影されてきた。これらの小さな氷の結晶は少しの環境の変化で消えてしまうが、繰り返しその姿を地上に現すという自然のサイクルを感じさせる存在でもある。同じくシベリア鉄道旅行中に撮影した《氷晶、シベリア I・II》(1998/2023)、ラップランド(フィンランド)・キルピスヤルヴィ村で撮影された「Auroraシリーズ」、17世紀絵画でヴァニタス(虚栄)の象徴として描かれるシャボン玉をモチーフとした作品など約24点が初披露となる。