EXHIBITIONS

坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア

 NTT インターコミュニケーション・センター(ICC)で、2023年3月に逝去した音楽家・坂本龍一を追悼するとともに、坂本がメディア・アート分野に残したはかりしれない影響について考える企画展「坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア」が開催されている。

 坂本龍一とICC との関わりは、開館以前のプレ活動期間(1991 年〜)に遡る。また、展覧会の企画に連動したコンサートの開催(ローリー・アンダーソン展 2005 年)や、ICC 開館10 周年および20 周年記念企画展も坂本(と高谷史郎)によるものであるように、ICC と深い関わりを持ってきたアーティストだ。

 坂本自身、90 年代初頭の黎明期よりインターネットに関心を持ち、インターネット・ライブを実施するなど、作品へのメディア・テクノロジーの導入を積極的に行ってきた。以降、1996 年のメディア・アーティスト、岩井俊雄とのコラボレーションをはじめとして、2000 年代以降は、カールステン・ニコライ、高谷史郎、真鍋大度、毛利悠子といったアーティストとのインスタレーション制作など、現代美術からメディア・アートの分野でも多くの作品を制作。

 本展では、共同キュレーターに坂本との共同制作を行うなど親交のあったライゾマティクスの真鍋大度を迎え、坂本の残した演奏データをもとにした作品や、親交の深い国内外のアーティストによる坂本とのかかわりのある作品、これまでのICC での展示などの記録によって構成し、あらためて未来に向けた坂本龍一像を提示することを試みる。

 なお会期中には、キュレーター、出品作家およびゲストによるトークやシンポジウム、上映プログラム、コンサートなどのイべントを予定。