EXHIBITIONS

モネ 連作の情景

2023.10.20 - 2024.01.28

クロード・モネ 睡蓮の池 1918年頃 ハッソ・プラットナー・コレクション
© Hasso Plattner Collection

 上野の森美術館で「モネ 連作の情景」が開催されている。

 印象派を代表する画家のひとり、クロード・モネ(1840-1926)は、自然の光と色彩に対する並外れた感覚を持ち、柔らかい色使いとあたたかい光の表現を得意とし、自然の息遣いが感じられる作品を数多く残した。同じ場所やテーマに注目し、異なる天候、異なる時間、異なる季節を通して一瞬の表情や風の動き、時の移り変わりをカンヴァスに写し取った「連作」は、モネの画業から切り離して語ることはできないだろう。移ろいゆく景色と、そのすべての表情を描き留めようとしたモネの時と光に対する探究心が感じられる「連作」は、モネの画家としての芸術的精神を色濃く映し出していると言える。

 1874年に第1回印象派展が開催されてから150年の節目を迎えることを記念し、国内外のモネの代表作60点以上が一堂に会す本展では、モネの代名詞として日本でも広く親しまれている〈積みわら〉〈睡蓮〉などをモティーフとした連作に焦点を当てながら、時間や光とのたゆまぬ対話を続けた画家の生涯を辿る。また、サロン(官展)を離れ、印象派の旗手として活動を始めるきっかけとなった、日本初公開となる人物画の大作《昼食》を中心に、「印象派以前」の作品も紹介し、モネの革新的な表現手法の一つである「連作」に至る過程を追う。

 その後、大阪中之島美術館へも巡回予定。