北斎 The Great Wave × Digital

　MOA美術館で 「北斎 The Great Wave × Digital」が開催されている。

　葛飾北斎（1760〜1849）は江戸本所割下水に生まれた。若くして木版彫刻の職を得たあと、絵師を志し、安永7年（1778）に勝川春章（1726〜1792）に入門。春章の没後は勝川派を離れ、狩野派、土佐派、琳派、洋風画など諸派の画法を学び続けた。北斎、戴斗、為一、卍など、生涯に三十数回の改名を繰り返しつつ、その度に画風を変化させている。90年の生涯で、読本挿絵、肉筆画、 『北斎漫画』に代表される絵手本、 「冨嶽三十六景」をはじめとする風景版画など数多くの作品を制作した。

　北斎の代表作として知られる 「冨嶽三十六景」は、富士の周辺をまわり、様々な場所や距離から生き生きと働く庶民の姿とともに描かれたのが特徴だ。本展は、「北斎 The Great Wave × Digital」と題して、 「冨嶽三十六景」をデジタル技術を活用した新しい角度で展観。

　会場では、NHK Eテレ 「びじゅチューン」で著名な現代アーティスト・井上涼による新作アニメーションも上映。あわせて 「北斎漫画」に登場する北斎特有の諧謔的な人物を同館デジタル技術でアニメーション化している。