Nobuo Yamanaka | ⼭中信夫

　Takuro Someya Contemporary Art で山中信夫（1948〜82）の展覧会が開催されている。

　山中は71年に多摩川の流れを撮った16ミリフィルムの映像作品『川を写したフィルムを川に映す』を発表し、作家としてのキャリアをスタートさせる。フィルム作品と連関しながら発展させたピンホール写真の技法を用いた代表的なシリーズからインスタレーションや写真を組み合わせた立体など、独自の造形表現を手がけた。79年には第15回サンパウロ・ビエンナーレに、82年には第12回パリ・ビエンナーレに参加。サイト・スペシフィックな大作を展示し国際的にも注目された。

　本展では、12年という短い活動期間のなかで残された多数のピンホール写真から数十点を2会期に分けて展示し、視覚芸術を切り拓いた山中作品の軌跡が紹介される。前期展覧会では、初期の73年に制作された作品「あふれる太陽のピンホール」をはじめ14点、81年制作の「東京の太陽」シリーズ16点が展示されている。