「Borrowed Landscapes」

　Blum & Poeでは、フリードリッヒ‧クナス、中村正義、岡﨑乾二郎、西條茜、マグダレナ‧スク ピンスカ、髙木大地によるグループ展「Borrowed Landscapes」が開催されている。

　本展では、明治神宮の本殿を囲む森を一望できる窓の景色を中心に、固有の個人的な表現としての「ランドスケー プ」についての思考や、林学博士‧本多静六が造林を主導するにあたって大事にした哲学を、各作品群を通して紹介。

　1915年に始まった人工林である明治神宮の森の建設にて計画の舵を取った本多は、ドイツのドレスデン近郊の都市ターラントで、工業主義や都市主義を否定し「美」や「崇高なもの」を重視するドイツ‧ロマン主義の根強い理想を掲げる林学を学んだ。神道やロマン主義のような自然環境を重視する思想のなかで尊ばれてきた、多様な形で混在する自然への畏敬の念という神宮の森の哲学についての様々な視点が、本展の作品群にも反映された。