EXHIBITIONS

特別展「明治美術狂想曲」

河鍋暁斎 地獄極楽めぐり図 明治2〜5年(1869~72) 

黒田清輝 裸体婦人像 明治34年(1901)

落合芳幾 末広五十三次 程ケ谷 慶応元年(1865)閏5月

 静嘉堂文庫美術館で特別展「明治美術狂想曲」が開催される。

 江戸幕府が倒れ西洋文明が流入した明治時代は、政治体制・身分制の改革、西洋風の建築やファッションの普及など、社会の面でも文化の面でも人々の生活と意識に大きな変化をもたらした。

「美術」という言葉が誕生し、美術館が初めて設置され、博覧会が開催されたのも明治時代である。油彩画が普及し、欧米好みの華麗な工芸品が輸出され、博覧会では絵画や彫刻が並んだ。社会全体が西洋化するいっぽう、古美術品の再評価や保護、日本美術史の編纂も明治時代の重要な出来事だ。

 本展では、現代の「美術」につながる諸制度・文化が生まれたこの明治時代を立脚点として、静嘉堂のコレクションを展覧する。初めて重要文化財に指定された近代美術の一つである橋本雅邦《龍虎図屛風》、論争を巻き起こした黒田清輝《裸体婦人像》など、創設者の岩﨑家とゆかりが深い作家の作品が展示される。また、国宝《曜変天目(稲葉天目)》も出品される。