EXHIBITIONS

Taiji Terasaki(タイジ・テラサキ)個展『Paradise Reborn: Rewilding Palmyra ―楽園の再生:パルミラ環礁の再自然化―』

N&A Art SITE
2023.02.03 - 02.24

Palmyra Atoll (aerial detail)  2022

 N&A Art SITEで、 Taiji Terasaki(タイジ・テラサキ)の個展「Paradise Reborn: Rewilding Palmyra ー楽園の再生:パルミラ環礁の再自然化ー」が開催される。

 タイジはハワイ・ホノルルを拠点に活動する日系アメリカ人アーティスト。これまでの主な展覧会には、「トランセンディエンツ:ボーダーのヒーローたち(TRANSCENDIENTS: Heroes at Borders)」(全米日系人博物館、2020年)などがある。

 制作のみならず、ホノルルにおけるアートコミュニティの発展にも注力。長年にわたりホノルル美術館の理事を務め、現在はホノルル・ビエンナーレ財団の理事に就任している。個人でも非営利団体「Make Visible」を設立し、アーティストの展示の機会を創出プラットフォームの構築を目指し続けている。

 その表現方法は写真、彫刻、インスタレーションなど多岐にわたるが、とくに、霧をキャンバス代わりにして写真を投影する「ミスト・フォトグラフィー」などの先駆的な作品で知られる。固有の文化や環境の保護・保全を主題とし、自然環境と人間の連関を考える作品を多く制作してきた。

 今回は、霧をキャンバス代わりにして写真を投影する「ミスト・フォトグラフィー」の技法を用いた《Palmyra Biodiversity》や、特注の手漉き和紙に独自の印刷技法により写真をプリントし、ホログラムのような独特の表現を試みた《Beauty》などが展示される。

 パルミラの豊かな生態系を、作家独自の技術を駆使して表現した作品の数々は、自然の生命力・回復力を強く提示すると同時に、人間の努力に秘められた可能性をも示唆し、未来への希望を与えるものだろう。