EXHIBITIONS

初春を祝う―七福うさぎがやってくる!

五世大木平藏  「宝船曳」のうち《木彫彩色御所人形》 昭和14年(1939)

横山大観 日之出 昭和時代 20世紀

五世大木平藏 「宝船曳」 のうち《木彫彩色御所人形》 昭和14(1939)

五世大木平藏 「輿行列」のうち 《木彫彩色御所人形》 1939(昭和14)

沈南蘋 梅花双兎図 清時代 1731(雍正9)

池大雅 寿老図 江戸時代 18世紀

 東京・丸の内の静嘉堂文庫美術館が、開館記念展の第2弾「初春(はつはる)を祝う―七福うさぎがやってくる!」を開催。昭和の名工が手がけた御所人形を一挙公開する。

 静嘉堂に収蔵される総勢58体の御所人形の一大群像。それらは、卯年生まれの岩﨑小彌太(いわさき・こやた、1879~1945)の還暦を祝って、夫人・孝子が京都の人形司・丸平大木人形店の五世大木平藏(おおき・へいぞう、1886~1941)に制作させたものだ。

 衣装や持ち物、乗り物など、すべてが木彫彩色で精巧に仕上げられた御所人形は、昭和14年(1939)8月、東京麻布の鳥居坂本邸における還暦祝賀会で初めて披露された。笑みをたたえた人形たちは、それぞれ小彌太と夫人の姿を写したともいわれる布袋と弁天など七福神を中心に、鯛車(たいぐるま)を曳き、楽器を奏で、あるいは餅をついて寿ぎの宴をくりひろげている。

 新美術館が開館して初めての春を迎える2023年は、小彌太の還暦から7回りした卯年にあたる。これを記念として本展では、祝賀の人形たちを展示するとともに、中国・日本の寿ぎの絵画、新春にふさわしい宴の器まで、吉祥性にあふれる作品を一堂に展示する。