EXHIBITIONS

みる誕生 鴻池朋子展

2022.11.03 - 2023.01.09

鴻池朋子 皮トンビ 2022 静岡県立美術館 裏山でのインスタレーション

鴻池朋子 狼ベンチ 2022 静岡県立美術館 裏山でのインスタレーション

鴻池朋子 柱周りインスタレーション 静岡県立美術館での展示風景

鴻池朋子 アースベイビー 2009 静岡県立美術館での展示風景

鴻池朋子 襖絵(地球断面図、流れ、竜巻、石)の内、石(部分) 2022年 石橋財団アーティゾン美術館蔵ほか
静岡県立美術館での展示風景

鴻池朋子
ドラえもんの歌on森吉山 2017
隠れマウンテン シャイニング/S 2011
静岡県立美術館での風景

国立療養所 菊池恵楓園 絵画クラブ「金陽会」 絵画作品
静岡県立美術館コレクション
鴻池朋子 振り子 アースベイビー 初号機 2020年ほか
静岡県立美術館での展示風景

国立療養所 菊池恵楓園 絵画クラブ「金陽会」 絵画作品
静岡県立美術館コレクション
鴻池朋子 振り子 アースベイビー 初号機 2020年ほか
静岡県立美術館での展示風景

「みる誕生 鴻池朋子展」が静岡県立美術館に巡回。各地を旅しながら、地形や季節と作品をつくってきたアーティスト・鴻池朋子の美術館個展となる。

 鴻池は1960年秋田県生まれ。アニメーションから絵画、絵本、彫刻などから手芸、おとぎ話、歌まで、あらゆる身近なメディアを用いた作品を通して、一貫して芸術の根源的な問い直しを続けている。

 本展に題された「みる誕生」とは、生まれたての体になって世界と出会う驚きを表す鴻池の言葉だ。鴻池は、静岡県立美術館 ロダン館の背後に広がる鬱蒼とした裏山へ分け入り、美術館からの「逃走ルート」を探し出すことから始め、展覧会を構想した。視覚だけでなく、作品を手で看(み)て、鼻で診(み)て、耳で視(み)て、そして引力や呼吸で観(み)ることで、観客の眠っていた感覚を目覚めさせる展示となる。

 実際に裏山の小径を整備し、美術館という硬直した建築と、疎遠になってしまった自然界に、観客の身体と想像力とで新たな通路を開くいっぽう、国立療養所 菊池恵楓園(熊本県)の絵画クラブ「金陽会」の作品や、多くの人と手芸で綴る《物語るテーブルランナー》という他者の力、人間以外の造形力である《どうぶつの糞》などの作品も展示し、静岡県立美術館のコレクションと対話させる。