EXHIBITIONS

à mains levées シャネルを紡ぐ⼿

アンヌ ドゥ ヴァンディエール展

© Anne de Vandière

© Anne de Vandière

© Anne de Vandière

© Anne de Vandière

 シャネル・ネクサス・ホールでは、フランス⼈写真家アンヌ・ドゥ・ヴァンディエールの展覧会「à mains levées シャネルを紡ぐ⼿」を開催する。

 アンヌは、1980年代よりジャーナリストとして活動を始め、99年からは「手」をテーマにした「H/and」シリーズを制作。これまでにパリのヨーロッパ写真美術館(2004)、プラハのマネスギャラリー(2006)などで展示を行ってきた。

 また2009年以来、Tribus du Monde協会とのコラボレーションで10年間に20ヶ国を訪れ、50の異なる部族、コミュニティの人々のポートレイトを撮影。現地の証言、ポートレイトや手を通して、失われていく文化に警鐘を鳴らし、その継承の重要性を示している。アンヌの作品はパリの人類博物館(2016)をはじめ多数の美術館、ギャラリーで紹介されている。

 2022年、アンヌはパリ・カンボン通り31番地に所在するシャネルのオートクチュールのアトリエ、そしてそのクリエーションを⽀えるフランス国内にある「メティエダール」のアトリエ13軒に取材。アトリエ職⼈の⼿による芸術ともいえるものづくりにスポットを当て、その手が紡ぐ物語を丁寧に切り出した。その写真作品は、私たち見る者をきらびやかな世界の舞台裏へ、クリエイティビティやサヴォアフェール(savoir-faire、ノウハウや技量のこと)を映し出す世界へと誘う。

 そして今回、アンヌはシャネル・ネクサス・ホールで開催される展覧会のために、メティエダールの継承を目的として2021年にパリ郊外に誕生した複合施設「le19M」を訪問。ここにアトリエを構える、刺繍のルサージュ、モンテックス、羽根・花細工のルマリエ、帽子のメゾン ミッシェル、プリーツのロ二オン、靴のマサロ、金細工のゴッサンスなどを取材した。同時に、手袋のコース、コスチューム ジュエリーのデリュをはじめ、le19M以外に拠点を持つアトリエも撮影した。

 本展では、アンヌが撮り下ろした数々のアトリエの写真を通して、シャネルのメティエダールの精神、そして情熱に満ちた手が紡ぐ物語を紹介する。