EXHIBITIONS

ライアン・ガンダー「Days of Temporal Passing」

2022.08.02 - 09.03

ライアン・ガンダー Four Dimension Experiential Prototype (Untouched Snow Memory) 2022
@ Ryan Gander, 2022

ライアン・ガンダー Four Dimension Experiential Prototype - Cafe Dream Sequence(部分) 2022
@ Ryan Gander, 2022

ライアン・ガンダー Doinʼ everythinʼ and feelinʼ nothinʼ / Double Damage(Monday)(部分) 2022
@ Ryan Gander, 2022

 RICOH ART GALLERYでは、イギリスのアーティスト、ライアン・ガンダーの個展「Days of Temporal Passing」を開催する。

 現在、ガンダーはTARO NASUで個展「Killing Time」(~8月6日)と、東京オペラシティ アートギャラリーでの「ライアン・ガンダー われらの時代のサイン」展(~9月19日)を開催中だ。8月2日からスタートするRICOH ART GALLERYの個展では、2つのシリーズ「Doinʼ everythinʼ and feelinʼ nothin ʼ / Double Damage」と「Four Dimension Experiential Prototype」から計13点を展示する。

 本展覧会は、「パラレルに存在可能な状況(para-possible situations)」「瞬く間に(Ogenblik;オゲンブリック)!」「既視感(déjà vu:デジャヴ)」 など、時間と存在に関わるキーワードがテーマ。ガンダーは、「これらの言葉、再帰的な物語の考え方が大好きです。時間ははかないものであり、未来に向かって進むだけでなく、あらゆる方向に動いていくことを認識しているからです」と述べている。

 1つ目のシリーズ「Doinʼ everythinʼ and feelinʼ nothinʼ / Double Damage」は、これまでのライアンの作品に見られた表現のひとつで、作品を構成するダクトテープが何か損傷した領域を覆う、あるいは誰かに検閲された箇所を見る者から遮り覆っているように見える。

 いっぽう「Four Dimension Experiential Prototype」は、著名なアーティストがいかにアイデンティティを創造していくかをテーマにしたシリーズだ。ガンダーは「para-possible world(パラレルに存在可能の世界)では、私の人生の別の現実で、私はピカソの世界に自分自身のハイブリッドとして存在している」と言う。

 2つのシリーズはリコーの2.5次元プリントであるStareReap(ステアリープ)により、これまでガンダーの作品では表現されてこなかったテクスチャーが加えられた。描かれたモチーフは現実性が加味され、これまで以上に作品に込められた意味が強まっている。

 そしてこれらの作品は、「Days of Temporal Passing」の展覧会タイトルの通り、日々刻々と変わることが可能な時間を暗示するように、RICOH ART GALLERYの回廊型の空間に展示される。