EXHIBITIONS

水戸部七絵「Let’s Have a Dream ! - 作品集出版記念展 -」

水戸部七絵「Let’s Have a Dream ! - 作品集出版記念展 -」より

作品集『Rock is Dead』

左:マルチプル作品、右:作家による加筆の様子

 水戸部七絵の初となる作品集『Rock is Dead』の刊行を記念した展示「Let’s Have a Dream!」が、 銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUMで開催される。

 水戸部は現在、東京藝術大学大学院に在籍。大胆な色彩の油絵具を指で幾層にも重ねて制作する、ダイナミックで重厚感のある絵画で知られる画家だ。以前からモチーフとして、著名人のポートレイトを描いてきた水戸部だが、2014年の米国での滞在制作をきっかけに、より抽象性の高い匿名的な顔を描く「DEPTH」シリーズを発表。マイケル・ジャクソンやデヴィッド・ボウイらをモチーフにした「STAR」シリーズの近作においては、その作品に描くロックスターのなかに、アートへの危機感を映し出している。「STAR」シリーズは2021年のbiscuit gallery(東京・渋谷)での「Rock is Dead」展に始まり、翌年のvoid+(東京・南青山)での「War is not over」展と続いてきた。

 今回、水戸部が選んだテーマは「Let’s Have a Dream!(今一度、理想を掲げ、夢をみよう)」。本展は現実のなかに夢を見ようと挑戦を続ける、現在の水戸部が空間全体で表現した、ロックスターシリーズ第3弾ともいえる展示となる。
 
 そして本展の開催に合わせて、作品集『Rock is Dead』のマルチプル作品を制作。マルチプル作品のユニーク化をはかる水戸部の試みとして、作家自らが⼀点⼀点に加筆し、版画の概念を超える作品に仕上がっている。

 マルチプル作品は書籍とセットで数量限定にてオンラインエントリーで販売。詳細は、7月29日にオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術手帖」内で公開される特設サイトでチェックしてほしい。

 なお会期中の7月30日、8月6日には、作品集『Rock is Dead』のなかで水戸部作品とその世界を読み解いている、荒木夏実(キュレーター/東京藝術大学准教授)と、畠中実(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員)をゲストに迎えたトークイベントも予定している。