EXHIBITIONS

鷹野隆大「ある日の東京タワー」

2022.07.09 - 08.07

鷹野隆大 2011.07.07_T(「東京タワー」シリーズより)
© Ryudai Takano Courtesy of Yumiko Chiba Associate

 アートスペース・CAPSULEでは、写真家・鷹野隆大の個展「ある日の東京タワー」を開催している。

 鷹野は1963年福井県生まれ。98年より、原則として毎日、自宅マンションから見える東京タワーを撮影する試みを「毎日写真」の一貫として開始。定点観測的に継続されるこのシリーズにおいて、鷹野は、東京タワーとその周囲の光景を被写体として、東京の街が刻々と移り変わるさまを、日々淡々と写し撮っていった。

 本展は、膨大な数にのぼる「東京タワー」のシリーズより、2002年から2011年までの10年間のうちに撮影された、それぞれ異なる年の7月7日から8月7日までの1ヶ月の写真(32日×10年間分)の計320枚を一挙展示する試みだ。

 また、国立国際美術館での展覧会「鷹野隆大 毎日写真1999-2021」(大阪、2021)で展示されたプリント6点も合わせて紹介するほか、2007年以降に着手したポジフィルムによる撮影のなかから、近作に至るまでの写真を時系列でスライド上映する。

 なお本展は、「鷹野隆大 毎日写真1999-2021」展の「文化庁 令和3年度(第72回)芸術選奨 美術部門」の受賞記念展として開催されるもの。これまでまとまって見る機会の少なかった「東京タワー」を公開する貴重な機会となる。

「今回、会場に貼り出す大量の写真は、日常性をイメージさせやすいカラーコピーを使用した。写真の裏にはその日のわたしの行動が記してある。

これらは日本を代表する建造物である東京タワーの写真であると同時に、そのアングルは極めて個人的なものである。誰も見たことのない視点から撮られた、よく知られたものの写真。果たしてそのような写真が、それを見た人にとって、十数年前あるいは二十年前を想う契機となるのか、今回はそのあたりを考えてみたいと思う。」(2022年6月、鷹野隆大)