EXHIBITIONS

「桑田卓郎」展

2022.07.09 - 07.29

イメージ画像、今回の展示作品とは異なる

 銀座 蔦屋書店では、陶芸家・桑田卓郎の新作展を店内インフォメーションカウンター前で開催している。

 桑田は、2001年に京都嵯峨芸術⼤学短期⼤学部美術学科陶芸コースを卒業し、現在は岐阜県多治見市で作品制作を行う陶芸家。古くからの陶器の産地である岐阜県で培った様々な技法に現代的な感覚を融合させた作品には、桑田ならではの質感や色彩が宿り、唯一無二の存在感を放っている。

 近年では「LOEWE Craft Prize 2018」特別賞を受賞するなど、国内外で高い評価を得るなか、喜びと同時に葛藤もあるという桑田。アートと日本文化をテーマとする書店として、銀座 蔦屋書店は、日本文化の重要な芸術のひとつである現代陶芸を積極的に紹介していきたいという想いから、時間をかけて桑田との対話を重ねてきた。

 両者の対話を経て実現した今回の展示は、「茶碗」をテーマに、桑田の特徴であるカラフルなスリップウェア(*)や独自の技法を用いた新作を紹介。金彩・白金彩など、桑田がいまもっとも力を入れている技法で新たな挑戦を披露し、「陶芸には様々な⼿法があり、その⼿法を鑑賞者に伝え、問いかけ、共有したい」という作家の想いを反映した内容となる。「茶碗」というものの歴史や美しさとともに可能性や概念を拡大させる試みに注目したい。

*──表面をスリップと呼ばれる泥漿(でいしょう)状の化粧土で装飾した器のこと。