EXHIBITIONS

熊本市現代美術館開館20周年記念

不思議の森に棲む服 ひびのこづえ×KUMAMOTO展

2022.07.02 - 09.19

ROOTの衣装で踊るアオイヤマダ 2021 撮影=上原勇

ROOTの衣装で踊るアオイヤマダ 2021 撮影=上原勇

MAMMOTHの衣装で踊る藤村港平 2020 撮影=出口敏行

AR 衣装 キリン 2021
QRコードを読み取ると、衣装を着たアオイヤマダが躍る!

「森に棲む服 ひびのこづえ 展」展示風景(そごう美術館) 撮影=阿部章仁

 熊本市現代美術館では、開館20周年を記念した「不思議の森に棲む服 ひびのこづえ×KUMAMOTO 展」を開催。2010年より同館と交流を深めてきたコスチューム・アーティスト、ひびのこづえの待望の個展となる。

 ひびのは静岡県出身、1982年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。97年に作家名を内藤こづえより、ひびのこづえに改める。2003年から現在までNHK Eテレ『にほんごであそぼ』のセット衣装を担当中。20年にはコンテンポラリー・ダンス『星の王子さま』の衣装を手がける。22年、NODA・MAP『フェイクスピア』衣装にて紀伊国屋演劇賞個人賞を受賞。近年は、コスチューム制作者としてひびの自らが働きかけ、ダンサー、作曲家たちとタッグを組みダンス・パフォーマンスを主宰している。

 広告、演劇、ダンス、バレエ、映画、テレビなど多岐にわたる場で活躍してきたひびの。その作品(コスチューム/衣装)は、カエルやカブトムシ、海の生き物、マンモス、骨など、地球に存在するありとあらゆる生き物、現象、人工物からヒントを得てつくられている。本展では、深い森のなかで、多様な生き物たちがざわめく不思議な世界を表現するような、唯一無二のクローゼットを熊本に出現させる。

 ひびのが望む作品の理想的な状態とは、それらを人が着脱ぎし、動き、形態が変化し続けること。会場には最先端のARによる動画や映像が展開されるだけでなく、ひびのが手がけたコスチュームをまとったダンサーたちによるパフォーマンス公演や、試着体験やワークショップなど様々なイベントが行われる(詳細は公式ウェブサイトへ)。

 美術、音楽、ダンスの領域を超え、ジャンルをミックスして生まれる不思議な美の世界を楽しみたい。