EXHIBITIONS

Waku 個展「素朴光」

2022.06.25 - 07.31

キービジュアル

 アーティスト・Wakuの2年ぶりとなる個展「素朴光」がCON_で開催されている。

 Wakuは1996年東京都生まれ。青山学院大学在学中の2017年に、ネオンサインを手がける「シマダネオン」の門戸を叩く。翌年に単身ニューヨークへ渡り、「ブルックリン・グラス」で修行。19年に帰国し、自身初の個展「Gowanus」を開催した。

 Wakuは制作において、広告照明としてのネオンサインに与えられ続けてきた記号性を周到に排する。その作品は、ネオンの光やそれをもたらすネオンガス、ネオン管を意味以前の存在に還元し、再提示している。

 本展は、生命とそうでないものとの境界が未分化な領域を探る展覧会。擬人的で、生気論的な「素朴生物学」は、ネオンと生命の関係を予感させながらも、それを揺さぶる。化学反応のエネルギーによって自ら光を発する深海生物や、38億年前の地球の底で生まれた原始生命体、そうした見立てのもとでネオン管をうごめく不活性ガスや光を発さないガラスの残骸は、かつて与えられた記号性や意味から離れて、鑑賞者の前に現れる。