EXHIBITIONS

ICC アニュアル 2022 生命的なものたち

エレナ・ノックス The Masters 2021
Photo by TAKAHASHI Kenji 図版提供=トーキョーアーツアンドスペース

村山悟郎 Painting Folding--これと合致する身体を構想せよ 2020
Photo by Shu Nakagawa(参考図版)

LarbitsSisters Crypto Miner Car 2020

nor syncrowd 2022

スコット アレン、高石圭人、石井飛鳥、渋谷和史、松岡佑馬、小林篤矢、徳井直生 Compressed Ideograph 2021(参考図版)

 NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]が「ICC アニュアル 2022 生命的なものたち」を、リアルの会場とオンラインのハイパーICCで同時開催する。 

「ICC アニュアル」は、これまで「オープン・スペース」展として開催してきた展覧会を、コンセプトを継承しながら、6ヶ月間の長期展示としてリニューアルするもの。新しいメディア・テクノロジーの動向に伴って、それに触発され、更新される、私たちの意識のありようや、現代の社会におけるテクノロジーの在り方を、メディア・アート作品をはじめ、現代のメディア環境における多様な表現によって、別の見方でとらえていく展覧会だ。

 現在の私たちの生活環境には、コンピュテーショナルなテクノロジーがもたらしたシステムが様々に実装されている。人間とコンピュータを媒介する技術の変遷は、アルゴリズムが生み出す、生命的な振る舞いによって、より自然に私たちの生活環境に浸透し、将来でもますます進むことを予感させる。いっぽう、自然の現象に見られる再帰性や偶然性を読み解き、自然のメカニズムを解析することで、テクノロジーの側からもうひとつの自然をシミュレーションし、新しい生命の在り方を定義することや、自然や生命、私たち自身をとらえ直すことが可能になった。

 今回の「ICC アニュアル」のテーマは「生命的なものたち」。「組織化する無機的なもの」の時代において、デジタル技術や自然の現象から生み出された新しい「生命的」なシステムとしての環境からインスピレーションを受け、そのシステムとの相互的なフィードバックによって生み出された作品、また気候変動やジェンダーなどの社会的な問題、NFTやメタバースといった同時代的な技術動向に基づいた、広がりを持つ作品の数々によって、これからのテクノロジーの在り方を考える。

 出品作家は、ALTERNATIVE MACHINE、菅野創+加藤明洋+綿貫岳海、慶應義塾大学 徳井直生研究室 Computational Creativity Lab、小光、セマーン・ペトラ、nor、エレナ・ノックス、村山悟郎、ラービッツシスターズほか。