EXHIBITIONS

東北画は可能か? —千景万色―

方舟計画 2011

展示風景より

展示風景より

 原爆の図 丸木美術館では、企画展「『東北画は可能か? -千景万色-」を開催している。

「東北画は可能か?」という深い問いを発するプロジェクトは、2009年に東北芸術工科大学の日本画コース教員・三瀬夏之介と、同大学洋画コース教員・鴻崎正武により立ち上がった。東日本大震災に深くかかわる《方舟計画》(2011)は、同プロジェクトの象徴的な作品だ。

 原爆の図丸 木美術館が常設している「原爆の図」の共同制作者として知られる丸木位里と丸木俊は、絵画を描き戦争の惨禍を伝えるいっぽうで、各地の民話に関心を寄せて数多くの絵本を描いた。とりわけ東北地方にはたびたび足を運んで、多くの風景画も描き残した。土地に根づいた人間のしたたかで豊かな暮らしと物語は、激動の時代を生き抜いた2人の画家にとって、生涯の重要なテーマであったといえる。

 本展では、21世紀の東北に根ざした画家と東北芸術工科大学の学生たちの紡ぎ出す民話が、丸木位里・俊の「原爆の図」がある美術館と接続する。同館は本展の企画にあたり、「この刺激的な試みは、亡き画家夫妻にとって、よろこばしい未来だったのではないかと想像する。そして現代を生きる私たちにとっても、それぞれの新たな問いが立ち上がる機会となることを願っている」と述べている。

 なお今年7月、「東北画は可能か?」の2009年から現在までの活動と作品をまとめた関連書籍『東北画は可能か?』(美術出版社)が刊行される予定だ。