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EXHIBITIONS

ゲルハルト・リヒター「Drawings 2018-2022 and Elbe 1957」

ゲルハルト・リヒター 3.1.2022  2022 © Gerhard Richter

「ゲルハルト・リヒター Drawings 2018–2022 and Elbe 1957」展がワコウ・ワークス・オブ・アートで開催される(事前予約制)。

  1932年ドレスデンに生まれたリヒターは、ドイツを代表する現代アーティスト。イメージの成立条件を問いながら、人がものを見て認識するという原理に一貫して取り組み続けてきた。

  2017年を最後に油彩画の制作から身を引いたリヒターは、その後、ドローイング作品のみに注力しながら、90歳を迎える現在も精力的に活動。リヒターの描く最新のドローイングでは、定規やコンパスを用いた機械的な線と変則的で輪部を持たない色彩とが多層的に交わっている。これらの抽象画においては、まるでリヒターの複雑な油彩画から本質的な要素だけを抽出して描き出したかのような、ドローイングならではの魅力あふれる画面が構成される。

 ドローイング展となる今回、同時に展示する31点組の《Elbe[Editions CR: 155]》(2012)は、1957年に若き25歳のリヒターがスケッチブックにゴムローラーを用いて描いた版画がもとになったエディション作品だ。本作は、リヒターが1961年にドレスデンから西ドイツへ移住した際に友人に預けていたオリジナルの版画が、2012年に精密な写真撮影とインクジェットプリントとで再現され、正式なエディション作品として目録に加わった経緯がある。ローラーの使用や風景や人物と抽象とのバランスなど、後年に磨かれていく作風の前触れのような要素が多く見られる貴重な作品に位置付けられている。

 さらに本展では、これまでリヒターが筆致に込めてきた思想をめぐる3つのエディション作品《Snow-White[Editions CR: 132]》《Sils[Editions CR: 170]》(ともに2015)、《PATH[Editions CR: 176]》(2018)も同時に紹介。リヒターの最初期と最新の作品が65年の時をまたいで同時に揃う好機となる。

 なお2022年から来年にかけ、大規模な回顧展「ゲルハルト・リヒター展」が東京国立近代美術館(~10月2日)および豊田市美術館(10月15日~2023年1月29日)を巡回する。