EXHIBITIONS

田附勝「DECOTORA-Hachinohe」

2022.06.07 - 07.08

田附勝
Junko丸、ドライバー漆戸淳一と妻・純子
青森県東北町・小川原湖公園キャンプ場、2021年7月

 GALLERY SIDE 2は、写真家・田附勝(たつき・まさる)の個展「DECOTORA-Hachinohe」を開催する。

 田附は1974年富山県生まれ。1998年より9年間にわたり、電飾を施したトラックとそのドライバーたちの撮影を続け、2007年に写真集『DECOTORA』(リトルモア)を発表した。2011年に刊行した写真集「東北」(同)で、翌年の第37回(2011年度)木村伊兵衛写真賞を受賞。2006年から東北地方に通い続け、2011年の東日本大震災に取材し鹿猟師をとらえた作品を、『その血はまだ赤いのか?』(SLANT)としてまとめた。

 2013年から2014年にかけては、暗闇に佇む鹿を写した『KURAGARI』(SUPERBOOKS)、原子力発電所による環境汚染で鹿猟をやめることを決意した猟師たちの最後の猟の日々とその名残を撮った『おわり。』(同)を発表。2014年4月に、ボストン美術館の「In the Wake 震災以後:日本の写真家がとらえた3.11」展で、東北を撮影した4冊から抜粋した作品が展示された。

 2016年に青森県八戸市で海と生きる漁師と震災でオレゴンに流れ着いた鳥居を追った『魚人』(T&M Projetcs)を発表し、あいちトリエンナーレに参加。2020年、各地の博物館で過去の新聞の上に眠る縄文土器の欠片を撮りためた『KAKERA』を横浜市民ギャラリーあざみ野にて展示した。

 今回の展覧会では、今年1月の八戸市美術館開館記念展「ギフト」で発表した「DECOTORA-Hachinohe」シリーズから3点と、2007年の写真集に収められている過去作4点を公開する。

『DECOTORA』刊行より14年の時を経て、親交の続いたトラッカーを昨年新たに撮影した「DECOTORA-Hachinohe」。闇に輝くトラックとトラッカーたちの絆、トラックの装飾のための技術を使った額装も見どころのひとつとなる。