EXHIBITIONS

泉太郎「あへつくり」

2022.05.07 - 06.05

泉太郎「あへつくり」より

 CAPSULEで、泉太郎による個展「あへつくり」が開催されている。

 2021年、同会場での個展「電源」が、工事に伴う水漏れ事故により急遽一時停止となった泉。2000年代の作品から最近作「フラジャイルGB」まで、様々な手法を混在させてきた泉の映像作品にフォーカスした展示だったが、2023年、東京オペラシティ アートギャラリーでの個展と同時期に再開される予定だ。

 本展「あへつくり」では、「電源」と「電源」のあいだをつなぐように、ドローイングと彫刻からなる作品が展開される。

「⻑期間の延期となった『電源』が再び⽴ち上がる前に、川底に溜まったり浮きあがったり流されたりして混ざり合いながらも輝く砂利のような関⼼を拾い上げて、いっぺんこの辺りで⾒せてみようと思う。⼀年前の⽔の事故を経て復活したCAPSULEの中を⾒回してみたところで、全く濡れてもいないし⽔溜りもないし、濡れた跡も乾いた跡も、⽔のかけらの⼀粒も⾒当たらない。どうやって⽔をすっかり追い出したのだろう。⼲物のように陽や⾵に晒すわけにもいくまいに。⾒えにくいプロセスを強引に『わかろう』として季節やら時間に⾔葉や数字を当てはめるのがこちらのやり⽅だとして、ではこのギャラリーが乾き切るまでのプロセスを区切り尽くして名付けたところで何になるの?という疑問はさておき、さておきというか、その疑問のややこしさを⼀度物⼲し竿に被せて⼲してみて味わいの深いところをジワジワと炙り出してみること、そのうち疑問じたいは空に散ったとしても味は残るというこの不親切な作法。その作法が⽣の感触をヨチヨチ歩きに戻す唯⼀の⽅法だったりしないだろうか(泉太郎)」。