ARTISTS

東信

Makoto Azuma

 東信は1976年生まれのフラワーアーティスト。2002年、日本初のオーダーメイドの花屋「JARDINS des FLEURS」を銀座にオープンし、その後は南青山へ移転。花屋を営む傍ら、05年頃から植物による表現の可能性を追求する「ボタニカル・スカルプチャー」と呼ぶ彫刻的な造形表現を開始する。05年のニューヨーク・トライベッカでの初個展、パリのセレクトショップ「コレット」の内装担当などをきっかけに海外から注目を集める。06年にはカルティエ現代美術財団の「ソワレ・ノマド」展に招聘され、アートパフォーマンス《Kehai(気配)》を披露。続いて、パリやデュッセルドルフなどで実験的な作品を数多く発表する。

 日本では、07年に2年間限定のプライベートギャラリー「AMPG」(東京・清澄白河、2009年3月に終了)を開廊。個展開催や、展覧会・イベントにも多数参加するほか、アーティスト・大竹伸朗の代表作《直島銭湯「I♥湯」》(香川県直島、2009)の植栽を手がけるなどアートディレクションも行う。主な個展に「BOTANICA(×)」(NRWフォーラム、デュッセルドルフ、2008)、「Collapsible leaves」(EYE OF GYRE、東京、2011)、「戦争と花 / War and Flowers」(The Mass、2018)など。自然界にはない様々なシチュエーションで花を生けるプロジェクトを精力的に行い、独自の視点から植物の美を追求し続けている。

09年にフォトグラファーの椎木俊介らとともに、実験的植物集団「東信、花樹研究所(AMKK)」を設立。花・植物が持つ神秘的なかたちを芸術の領域で表現し、植物の存在価値を高める活動をミラノ、ベルギー、上海ほか世界各地の美術館やアートギャラリー、パブリックスペースなどで展開している。