ARTISTS

田中功起

Koki Tanaka

 田中功起は1975年栃木県生まれ。98年、ウィーン芸術アカデミーに短期留学し、2000年に東京造形大学美術科絵画専攻卒業。05年に東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。09年、文化庁新進芸術家海外研修制度によりロサンゼルスに留学。映像やインスタレーション、執筆などを通して、日常に潜む複数のコンテクストを視覚化してきた。近年では、人と人との協働に焦点を当てた作品を制作する。

 2013年に行われたヴェネチア・ビエンナーレでは日本館代表作家として参加し、「abstract speaking - sharing uncertainty and collective acts(抽象的に話すこと - 不確かなものの共有とコレクティブ・アクト)」展を開催(キュレーターは東京国立近代美術館学芸課長・蔵屋美香)。同展では、5人の陶芸家が1点の陶器を協働で製作する映像などを出品し、特別表彰を受賞した。

 15年にはドイツ銀行のアーティスト・オブ・ザ・イヤーに選出。主な著書に『質問するその1(2009 - 2013)』(ART iT、2013)などがある。16年には国内初の大規模な個展「田中功起 共にいることの可能性、その試み」(水戸芸術館 現代美術ギャラリー)を開催。同展では10年以降の田中の活動が紹介され、一般の参加者とともに制作した新作《一時的なスタディ:ワークショップ#4 共にいることの可能性、その配置》が発表された。