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柿沼康二

Koji Kakinuma

 柿沼康二は1970年栃木県生まれの書家、現代美術家。5歳より書を始め、父・柿沼翠流、手島右卿、上松一條に師事する。東京学芸大学教育学部芸術科(書道)を卒業。「書はアートたるか、己はアーティストたるか」の命題に挑戦し続け、伝統的な書の技術と前衛的な精神による独自のスタイルを貫く。2013〜14年に存命書家では初となる、現代美術館での個展「柿沼康二 書の道 “ぱーっ”」(金沢21世紀美術館)を開催。これまで、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)、ジョン・F・ケネディ・センター(ワシントンD.C.)、ロンドン・カウンティ・ホールなど世界各地で作品を発表。横幅10メートルに及ぶ「超大作」や、同じフレーズや文字を繰り返し書き連ねる「トランスワーク」など、書の古典に立脚しながら新たな表現を生み出し、「書を現代美術まで昇華させた」と国内外で高い評価を得ている。
 
 NHK大河ドラマ『風林火山』(2007)、映画『アキレスと亀』(2008)、『最後の忠臣蔵』(2010)などの題字を揮毫。東久邇宮文化褒賞、第1回矢板市市民栄誉賞、第4回手島右卿賞、独立書展特選、独立書人団50周年記念大作賞、毎日書道展毎日賞(2回)、文化庁公益信託第6回国井誠海賞ほか受賞多数。「東京2020公式アートポスター」の制作に参加。