今回、愛知県美術館が受贈を明らかにしたのは、フランスの画家・バルテュス(1908〜2001)による絵画《白馬の上の女曲馬師》(1941/1945)。
同作は名古屋市在住の個人が6億円で購入したもので、同館によると評価額も同様。これは同館所蔵作品のなかでは、クリムト《人生は戦いなり(黄金の騎士)》(17億7000万円)、ピカソ《青い肩かけの女》(14億円)に次いで3番目の高額作品となる。
バルテュスは、それまであまり描かれることのなかった「ありのままの少女の姿」を描いたことで、批判を呼ぶと同時に高く評価され、ピカソからは「20世紀最後の巨匠」と評されたことでも知られている。また、日本では2014年に東京都美術館で大回顧展「バルテュス展」が行われたことは記憶に新しい。
作品は薄暗い情景のなか、チュチュを着て冠をかぶる曲馬師の少女が白馬に乗る様子が描かれており、同館は「バルテュスのこの作品に描かれた光景は静けさに満ちており、サーカスの熱狂とはほど遠い、夢のなかのような雰囲気に包まれています」としている。
なお本作は、7月から開催される「2017年度第2期コレクション展」で披露されるという。