「皇室のみやび─受け継ぐ美─第4期」(皇居三の丸尚蔵館)開幕レポート。国宝《唐獅子図屏風》や《動植綵絵》なども
皇居三の丸尚蔵館で4期に分けて開催中の開館記念展「皇室のみやび─受け継ぐ美─」。その第4期「三の丸尚蔵館の名品」が開幕した。会期は6月23日まで。※出品作品はすべて国(皇居三の丸尚蔵館収蔵)の作品
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昨年11月に開館30周年を迎え、リニュアルオープンした皇居三の丸尚蔵館。同館で4期に分けて開催されている開館記念展「皇室のみやび─受け継ぐ美─」を締めくくる第4期「三の丸尚蔵館の名品」が、5月21日に開幕した。
本展は、「皇室のみやび」をテーマに、同館の収蔵品から国宝を含む様々な作品を紹介するもの。第1期では、国宝・小野道風《屏風土代》、国宝・《蒙古襲来絵詞》など、近年指定された国宝4件を含む様々な作品を公開。第2期では、近代日本の優れた美術工芸品に加え、明治・大正・昭和の三代の天皇皇后ゆかりの品々を、第3期では、近世までに京都御所や宮家を飾っていた品々を紹介した。
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同館の開館記念展の総集編とも言える第4期では、令和3年に国宝指定された狩野永徳《唐獅子図屏風》が、リニュアルオープン後の同館で初めて公開された。同館副館長の朝賀浩は、「宮内庁直営時代の30年間の三の丸尚蔵館の活動のなかでも、施設が狭かったということもあり、同作は、同館でなかなか並べる機会がなかったが、ようやく今回は母屋で並べることができた」と話している。
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また本展では、国宝・伊藤若冲《動植綵絵》4幅や、国宝・高階隆兼《春日権現験記絵》1巻など、皇室にもたらされた数々の名作も展示されている。朝賀はこう続ける。「《春日権現験記絵》は20巻ほどあり、《動植綵絵》も30幅ある。第1期でご覧になったものとはまた別のシーンをご覧いただけるので、改めて足をお運びいただけたら」。
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国宝のほか、本展では「今後さらに高い評価を得るであろう」(朝賀)という作品も並んでいる。例えば、藤原為信・豪信《天子摂関御影 天皇巻》は今年3月の文化審議会の答申により重要文化財に指定されたもの。法体姿の鳥羽天皇から後醍醐天皇まで、途中4人を除く歴代19人の天皇と後高倉院(太上天皇)が描かれている。
昭和3年の大礼に際して京都市が献上した髙島屋呉服店による《閑庭鳴鶴・九重ノ庭之図刺繍屏風》では、金糸を織り込んだ華やかな地に、鶴や菊の花などの動植物を刺繍をもって巧みに描写。1900年のパリ万国博覧会に出品された並河靖之《七宝四季花鳥図花瓶》では、漆黒の七宝釉を背景に四季折々の花々や樹木、そのなかを自由に飛び交う鳥が繊細に表現されている。
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同館館長の島谷弘幸は、「会期早めの夕方は比較的空いている」と強調しながら、適切な時間に来場することを促した。また、会期中の5月24日、28日、6月7日にはミニトークイベントも開催。本展展示作品のなかから、同館研究員がおすすめの一品を取り上げ、作品を前にわかりやすく解説する。そちらもあわせてチェックしてほしい。
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