フランスのジュエリーメゾン「CHAUMET(ショーメ)」が、横浜の三溪園にある鶴翔閣で「フランスと日本文化の Conversation―ショーメのサヴォワールフェールと日本の名匠3人の対話」と題した展覧会を開催する。会期は11月23日~11月28日。
本展のコンセプトはフランス文化と日本文化の対話。日本初披露となるショーメのジュエリーと日本の伝統工芸の職人による作品を、テーマを設けてともに紹介する。今回参加した職人は、竹芸家の四代 田辺竹雲斎、盆栽作家の木村正彦、 刀匠の月山貞利、月山貞伸の3家だ。
四代 田辺竹雲斎は「VIDES ET PLEINS 余白の美」をテーマに、ショーメのジュエリーとコラボレーションした。
1973年に三代 竹雲斎の次男として生まれた四代は、竹によるインスタレーションや立体作品を制作してきた。今回も古くから伝わる編み技を展開させ、有機的な立体を制作。今年の「KYOTO GRAPHY」の二条城で披露された作品をパーツごとに分解して再構築しており、再生し次の作品に引き継がれる四代らしいコンセプトが感じられる。本作とは、竹編みのように薄い線を組み合わせた技術によってつくられたショーメの「ファルクトー」が組み合わされた。
数多くの作品が内閣総理大臣賞や国風賞を受賞し、その独創的な技術から「盆栽界の魔術師」と呼ばれてきた木村正彦は「自然を彫る SCULPTER LA NATURE」をテーマにコラボレーション。会場には長い年月をかけてつくりあげられた複雑で重層的な枝ぶりの盆栽が並んだ。
木村の盆栽とともに、盆栽を模した什器で展示されるのは、カットの技が駆使された宝石細工の技が光るジュエリー群。長い時間のなかでも変わらない価値をつくり続けてきたショーメのジュエリーと共鳴する。
刀匠の月山貞利と月山貞伸の親子は、「金属の芸術 L’ART DU METAL」をテーマにコラボレーションを展開。800年の長きにわたり作刀の技を受け継いできたふたりの刀が、枯山水を模した展示空間に展示された。綾杉肌と呼ばれる独特の模様が刀身に浮かび、また月山派の特徴である刀身の繊細な彫物も目を引く。ここでは、ショーメの職人の至芸ともいえる金細工の伝統が光るジュエリーが、ともに展示された。
原三渓の美学が投影された三溪園で繰り広げられた、日本の伝統的な職人の技とフランスのショーメの技。その共演を楽しんではいかがだろうか。