横尾忠則・美美の親子初共演。東京駅前で「東京大壁画」公開

東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京が主催する文化プログラム「Tokyo Tokyo FESTIVALスペシャル13」のプログラムのひとつとして、横尾忠則・美美の親子による「東京大壁画」が完成。お披露目された。

横尾美美と横尾忠則

 東京駅丸の内口の正面にそびえる丸ビルと新丸ビル。その壁面をキャンバスにしたプロジェクト「東京大壁画」が完成し、披露された。

「東京大壁画」は、東京オリンピック・パラリンピックにあわせて東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京が主催する文化プログラム「Tokyo Tokyo FESTIVALスペシャル13」のプログラムのひとつ。丸ビルと新丸ビル、それぞれの壁面に、横尾忠則・美美の親子が作品を展開するというものだ。

丸ビルと新丸ビル

 横尾忠則・美美の親子が初めて共演する機会となった「東京大壁画」。「相互関係にあり、ふたつの呼応しあえるような概念を」を前提にテーマが検討され、横尾忠則が滝のポストカードをもとにした「水」、横尾美美が「火」をテーマに作品を制作した。

横尾忠則の作品(部分)
横尾美美の作品(部分)

 壁面展示にあたり、ふたりが制作した絵柄を両ビルの窓ガラスの大きさにあわせ、1枚あたり約07平米から約3.9平米のシートに分割。分割されたシートを5月6日から2ヶ月以上かけてガラスに貼り付け、最終的には丸ビル(横尾美美)には798枚、新丸ビル(横尾忠則)には1480枚ものシートで構成されることとなった。

 7月17日の記者会見に登壇した小池百合子東京都知事は「コロナ禍においても文化の灯を絶やさず、新しいチャレンジをすることが大切」とし、東京の玄関口で巨大作品を展示する意義を強調する。

 1964年の東京オリンピックの際にデザインチームの一員として参加した経験を持つ横尾忠則は、「風景が人工化するなか、このようなかたちで自然を展示できて嬉しい。自然を新たに認識してもらえたら」としつつ、親子での共作については「ふだんは親子で会話することはあまりないが、作品を通して会話ができたことは新しい経験となった」と振り返った。

完成作品にサインを入れる横尾忠則(右)

 いっぽうの横尾美美は、「世界が困難な状況にあるなか、炎で清め、癒やしていくという願いを込めた」とコメント。ビル壁面という異例の場所での展示については、「見上げる必要があるが、いまは上を向くという行為にも意味があると思う」と話す。

 時間帯や見る場所によって表情を変える「東京大壁画」。緊急事態宣言下にある東京で、人々にどう響くだろうか。

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