豊田市美術館、島根県立石見美術館を経て、現在は東京都庭園美術館で巡回開催中の企画展「交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー」。その後期展示が1月23日から始まっている。会期は3月5日まで。
大衆消費社会が進展し、つねに新しいものが求められるなかで装飾の重要性が高まった時代。本展は、そんな社会が急激な変化を遂げた1900〜30年代のデザインや装飾芸術における、国やジャンルを超えた横断的な関わりに焦点を当てるものとして注目を集めている。
会場に並ぶのは、絵画、彫刻、家具、食器、洋服などから、建築や都市に関連する資料まで、70名による作品・資料約400点だ。展覧会は年代順の4章で構成されており、順路に沿って進むことで「モダン」の歴史を追想できるようになっている。
このなかで、後期展示から初お目見えする作品もある。例えば、モードの帝王とも称されたポール・ポワレによるデイ・ドレスや、図案家・演出家など様々な分野で活躍した斎藤佳三の表現浴衣などが、展示替えとなっている。前期展示を見た方も、作品リストをあらためてチェックしてみてはいかがだろうか。
また本展では、ギャラリートークの動画を計6本公開。聞き手役にアートテラー・とに~を迎え、本展を企画した豊田市美術館、島根県立石見美術館、そして展示会場である東京都庭園美術館の担当学芸員が展示室を案内し、見どころを伝えるものだ。直接展示に行けなくとも、その魅力の一端に触れられることだろう。
なお、同展では特設のInstagramアカウントを開設するという試みも。作品紹介や準備の裏話、そしてリールなど、Instagramならではの特別な情報が発信されているので、ぜひチェックをおすすめしたい。