2023年、東京・馬喰横山に新たな現代アートギャラリー、SOM GALLERY(エスオーエムギャラリー)がオープンする。
SOM GALLERYは、メディアに内在する本質への探求とその越境に挑戦する若手現代アーティストを中心に紹介するコンテンポラリーアートギャラリー。福山雅也と村上学嗣によって2023年に創立される、まさに新進気鋭のギャラリーだ。
ギャラリストの福山雅也と村上学嗣は、ギャラリーオープンにあたって、次のようにコメントを寄せている。「この時代になぜコマーシャルギャラリーを設立するのか。ギャラリーの担う役割や果たすべき責任について議論を重ね、真摯に向き合った。そのなかで、近視眼的なものごとに囚われず、同世代が持つ普遍的な社会的テーマと意義をアートのフレームワークで共に実現することに意義を見出した。一面的、一義的及び一時代的に収まらない、深度のある現代アートの価値や意義を提供しながら、歴史を紡いでいきたい」。
同ギャラリーでは、年9〜11回のペースで国内外のアーティストの展覧会を開催する予定。こけら落としとなるのは、SOM GALLERYの現代アートへの姿勢、解釈や今後の方向性を示すことを意図した、10名のアーティストによるグループ展「Group Show “Untitled”」(2023年1月14日〜2月5日)だ。
同展は、現在日本を含むアジアのアートマーケットで勢いづくストリートアートからの「昇華」「新展開」と、依然としてアートの世界で強い存在感を示すペインティングにおける物質性・素材性の再探求を目指すもの。
出展作家は、クリエイティビティの消費をテーマにした平面作品を制作するにいみひろき、グラフィックの世界観を主軸に現象に着目した作品を展開する河野未彩、近作ではモチーフをシルエット化する事で具象と抽象の「間」を表現するヒロ杉山、自分と世界における「こころの在りか」をテーマに平面作品を制作するフカミエリ、リアルとインターネットの中間の世界を表し、実感と空虚の間の自身を可視化しようとする渡邊涼太、版画とVRを組み合わせた、「VR版画」を制作する松田ハル、ドローイングをコピー機で印刷することで「複製」という行為が生み出すズレを表現する大澤巴瑠、線と色面で構成されたペインティング作品を制作する木津本麗、「偶然性・無作為性・手作業と機械作業の境界・労働」をテーマに主に平面作品を制作する三浦光雅、自然に身を委ね、自身の内側にある表現の伝達を蜜蝋を用いた平面作品にて制作する中瀬萌。
SOM GALLERYはこれらの作家について、「過去の絵画を踏襲しつつ、今日的な美と意義を持ち合わせており、各々が独自性に富んでいる。決して一義的な絵画観に基づいているわけではないが、いずれも現代を生きる我々の感性や価値観に根ざした表現の前進を行っている」と評している。
各アーティストごとの表現を、生まれたばかりの会場で体感してみてはいかがだろうか。