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落札価格は約73億円。日本人の個人コレクターがクリムトの風景画を落札

グスタフ・クリムトが1901年から1902年にかけて制作した風景画《Insel im Attersee》が、5月16日にサザビーズ・ニューヨークのイヴニング・オークションで日本人の個人コレクターによって落札された。落札価格は5320万ドル(約72億7700万円)。

モダン・イヴニング・オークションでグスタフ・クリムト《Insel im Attersee》(1901-02)が落札された様子All images courtesy of Sotheby's

 5月16日にサザビーズ・ニューヨークで開催されたモダン・イヴニング・オークションにて、グスタフ・クリムトの風景画《Insel im Attersee》(1901-02)が、5320万ドル(約72億7700万円)の価格で日本人の個人コレクターによって落札された。

 オーストリアのアッター湖を描いた同作は、クリムトの風景画のなかでもっとも大胆な構図をとったもののひとつ。水平線が異常に高い位置に描かれており、島の上端がフレームから切りとられているような独特の構図によって特徴づけられている。

グスタフ・クリムト Insel im Attersee 1901-02

 この作品は、アメリカで初めて展示されたクリムトの作品であり、クリムトの世界的な評価の向上につながったものでもある。1940年、アメリカの美術史家でギャラリストのオットー・カリールによって行われた展覧会「Saved from Europe」で紹介され、クリムトやオーストリア表現主義がアメリカで一躍脚光を浴びるきっかけをつくった。

 また、同夜に行われたモー・オースティン・コレクションと近代美術のふたつのイヴニングセールでは、合計4億2680万ドル(約584億円)の売上高に達し、同社史上、一晩のセールでは3番目に高い販売額となった。

ピーテル・パウル・ルーベンス Man as the God Mars 1620頃

 3億310万ドル(約415億円)の販売総額を実現したモダン・イヴニング・オークションでは、83パーセントのロットが落札され、販売額の3分の1以上はアジアのコレクターによるものだという。オークション開催前から注目を集めていたルーベンスの肖像画《マルス神としての男》(1620頃)は、2000万〜3000万ドルの予想範囲内である2620万ドル(約35億8400万円)で落札。

 ピカソの作品6点は合計で5240万ドルに達し、ファン・ゴッホによる1887年の風景画《Jardin devant le Mas Debray》は、2330万ドル(約31億8700万円)でアジアのコレクターによって落札された。また、ヴィルヘルム・ハマスホイの室内画《The Music Room, Strandgade 30》は910万ドル(約12億4500万円)で、イサム・ノグチの彫刻《The Family》は1230万ドル(約16億8200万円)で落札され、いずれもアーティストのオークション記録を更新した。

ヴィルヘルム・ハマスホイ The Music Room, Strandgade 30
イサム・ノグチ The Family

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