バスキアの《Versus Medici》がサザビーズで競売へ。予想落札価格は約38億〜55億円
2017年に前澤友作が約123億円で落札した《Untitled》と同年に完成したジャン=ミシェル・バスキアの《Versus Medici》(1982)が、5月12日にサザビーズ・ニューヨークで開催されるライブオークションに出品される。予想落札価格は3500万〜5000万ドル(約38億〜55億円)。
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ジャン=ミシェル・バスキアが1982年に制作した絵画《Versus Medici》(1982)が、5月12日にサザビーズ・ニューヨークで開催される現代美術のライブオークションに出品。予想落札価格は3500万〜5000万ドル(約38億〜55億円)。
本作は、バスキアが81年にイタリアを訪れてから間もなく制作し、2017年に前澤友作が約123億円で落札した《Untitled》と同じ年に完成したもの。レオナルド、ミケランジェロ、ラファエロ、ボッティチェリなどが築いた西洋美術史に対峙し、ルネサンスの巨匠たちの後継者になるという野心的な態度を示した作品だと評価されている。
同作は、バスキアの初期のコレクターであるステファン・ヤンセンが82年に作家のスタジオを訪れたときにラリー・ガゴシアン(ガゴシアンギャラリーオーナー)から購入したもの。90年代に別の個人コレクションに所蔵されて以来初めて、オークションに出品される。これまで同作は、17年にヴェネチアのパラッツォ・フォーチュニーで行われた「Intuition」展や、19年に六本木の森アーツセンターギャラリーでの「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」展などで展示されてきた。
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サザビーズ・ニューヨーク現代美術部門の責任者であるグレゴワール・ビローは、本作について次のようにコメントしている。「この作品は、バスキアの作品のなかでもっともパワフルな作品であるだけでなく、美術史を根本的に再構築するものであり、真の巨匠としてのバスキアの永続的な遺産と、この作品のなかで対峙しているルネッサンスの巨匠たちの系譜にバスキアをしっかりと位置づけるアイコンを象徴している」。
バスキアをめぐっては、3月23日にクリスティーズのシングルセールオークションにおいて《Warrior》が約45億円(3億2360万香港ドル)で落札されており、落札価格にも影響しそうだ。
なお、同セールにはロサンゼルスのコレクター夫婦モリス&リタ・パイヌースのコレクションから、デイヴィッド・ホックニーの《Self-Portrait on the Terrace》(1984、予想落札価格800万〜1200万ドル)やウィレム・デ・クーニングの《Stowaway》(1986、同600万〜800万ドル)なども出品。バスキアの作品を含め、台北(4月3日~4日)、香港(4月16日~20日)、ロサンゼルス(4月24日~26日、モリス&リタ・パイヌースのコレクションは3月25日〜28日)で先行展示される。
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