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「ミラノデザインウィーク2024」に見るコレクティブルデザインの台頭とグローバルサウスの力

イタリア・ミラノで「ミラノ・デザインウィーク2024」(4月16日~21日)が開催された。現地の様子やそこからうかがえるシーンの変化について、デザインジャーナリスト・土田貴宏が考察する。

文=土田貴宏(デザインジャーナリスト)

サウジアラビアのデザインスペース・アルウラによる展示

「ミラノデザインウィーク2024」に見るコレクティブルデザインの台頭とグローバルサウスの力

次世代の兆しを伝えるコレクティブルデザイン

 昨年に引き続き、今年も4月にイタリア・ミラノでミラノデザインウィークが行われた。4月開催が恒例であるこの催しは、パンデミックのため2020年から中止や会期変更が相次ぎ、前回ようやく通常通りの日程が実現。今年は本来の活気を取り戻しただけでなく、いっそうの勢いを感じさせた。その様子は、世界最大級のデザインイベントという位置づけにふさわしいものだった。

 ミラノデザインウィークは、ミラノ郊外に会場のあるミラノサローネ国際家具見本市(以下、ミラノサローネ)と、その時期に市内で開催される無数の展示やイベントを指す総称だ。ミラノサローネの出展者の中心は家具メーカーであり、そこは主に新作発表と商談の場となる。いっぽう、ミラノ市内では家具に限らず幅広いジャンルの出展者が各々のステイトメントを発信し、そこにデザインの現在形を体感することができる。

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