「Liberate the Louvre」(ルーヴルを解放せよ)は、ルーヴル美術館が20年以上にわたり国際石油大手「トタル」とのスポンサー契約を結んでいることに対して、抗議活動を展開するためのキャンペーン。アメリカに本拠地を置く国際環境NGO「350.org」が主導しているもので、同団体はこれまでも、6年がかりの「Liberate Tate」キャンペーンによってイギリスのテートと石油大手「BP」の契約終了を迫り、実現させた経緯がある。
「Liberate the Louvre」は今年1月に立ち上げられたもので、今回が初めてルーヴル美術館内で行われたパフォーマンスとなった。抗議の舞台となったのは、同館を代表する彫刻作品である《サモトラケのニケ》の前。40名からなるメンバーが、それぞれ着用していた黒いスカーフやジャケットなどを脱ぎ、《サモトラケのニケ》からオイルが流れ出ているような演出を行った。その間わずか3分間の出来事だったという。
「350.org」はトタルを標的にした理由として、同社の環境戦略が不十分であることなどを挙げており、ルーヴル美術館は人類の歴史と文化を伝える機関として、気候変動の危機に責任を持つべきだとしている。