北欧地域最大規模を誇るノルウェーの新たな国立美術館。6月11日の開館に先立ち、その建築が公開された。
オスロのウォーターフロントに位置するこの美術館は、2003年から05年にかけてノルウェーのナショナル・ギャラリー、建築博物館、装飾美術・デザイン博物館、現代美術館の4館が統合して設立されたオスロ国立美術館(National Museum of Art, Architecture and Design)を前身とするもの。40万点以上の収蔵品を有しており、新館の総面積は約5万5000平米におよぶ。
2フロアにまたがる86の展示室では、古美術から現代美術、建築、デザインまで、6500点以上の作品が常設展示。エドヴァルド・ムンクの《叫び》をはじめ、古代ローマの胸像や古代中国の磁器、17世紀のオランダの風景画や静物画、20世紀の重要な近代美術、そして王室の衣装、現代のファッション、インテリア、グラフィックデザインなどを見ることができる。
また館内には、屋上にある「ライトホール」という企画展スペースのほか、屋上テラス、カフェ、ショップ、北欧最大の美術図書室が設けられている。
6月11日の一般公開とともに、ノルウェーで活動する147人のアーティストとアーティスト・グループの作品を紹介するグループ展「I Call It Art」、ノルウェー生まれの石油タンカー・フレドリクセン家のコレクションを紹介する「The Pillars」展、ドローイングや絵本を展示する「East of the Sun and West of the Moon」展が開催。今後は、ローラ・プロヴォストやグレイソン・ペリー、ルイーズ・ブルジョワ、フリーダ・カーロ、マーク・ロスコらの展覧会も予定されている。
同館館長のカリン・ヒンズボは声明文で、次のようにコメントしている。「美術館は、イメージの力について批判的に考えるよう私たちを誘う場所であると同時に、立ち止まり、内省する場所でもある。私たちのビジョンは、一人ひとりがアートにアクセスできるようにすること、そして私たちの時代と社会を反映させること。これが成功すれば、美術館は社会でもっとも重要な出会いの場になると信じている」。