1475年に創設され、世界最古の図書館のひとつであるヴァチカン図書館に、新しい現代アートギャラリーがオープンした。
Catholic News Agencyによると、同館司書のホセ・トレンティーノ・デ・メンドンサ枢機卿は声明文で、「出会いの文化を支援するため」このギャラリーを創設したとしており、ヴァチカンの文化的役割の強化を目指す。
ローマ教皇フランシスコはギャラリーのオープニングにあたり、「美しさとは、外見や装飾のような一時的なものではなく、善や真実、正義といった根源的なものであり(中略)、魂に触れ、人間をその深遠な尊厳に近づけるものだ」としつつ、教会が美と文化の重要性を説くべきだとコメント。
また、コロナ禍によって大きな変化のなかにある現代において、「少数者の力を反映したものではなく、すべての人の多様性を反映した勇気あるモザイクのような、新しい美が必要」と強調している。
こけら落とし展としては「EVERYONE: Humanity on its way」が2022年2月25日まで開催中。イタリアの現代アーティスト、ピエトロ・ルッフォとのコラボレーションにより生まれた本展では、ルッフォが制作した4つの天体地図や、ローマ教皇庁のコレクションから中国の世界地図、インドの天文巻物などが展示されている。