国内の鶏卵事業大手であるイセ食品が、債権者から会社更生法を申し立てられたと帝国データバンクが発表した。
2021年までイセ食品の会長兼社長を務めた伊勢彦信は、日本を代表するアートコレクターとして知られており、日本画、洋画、陶磁器などを幅広く所有。とくに中国陶磁のコレクションは著名であり、2017年にはパリの国立ギメ東洋美術館で企画展も開催された。
富山・高岡市にあるイセ食品の富山事務所には美術館も併設。また伊勢はイセ文化財団の代表理事でもあり、同財団は全国の美術館の展覧会に協賛してきた。
さらに伊勢は、国内の美術品オークション大手である「シンワオークション」を保有する、シンワワイズホールディングス株式会社の会長も務めている。今年1月には伊勢のコレクションよりラウル・デュフィ、マリー・ローランサン、ベルナール・ビュッフェなど6点が出品されるオークションが開催された。今回の会社更生法の申し立てを受け、今後のコレクションの動向が懸念される。