2021.3.16

アジア最大級の現代美術館「M+」の建物が竣工。開館は21年末を予定

プリツカー賞の受賞建築家ユニットであるヘルツォーク&ド・ムーロンらが建築設計を担当したアジア最大級のヴィジュアル・カルチャー博物館「M+」。その建物がついに竣工し、今年の年末に開館することがわかった。

ビクトリア・ハーバーから眺めた「M+」の外観 Photo: Virgile Simon Bertrand (C) Virgile Simon Bertrand Courtesy of Herzog & de Meuron
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 2017年の開館を予定していたものの、幾度も開館を延期してきたアジア最大級のヴィジュアル・カルチャー博物館「M+」。その建物がついに竣工し、今年の年末に開館することが発表された。

 香港の西九龍文化区、ビクトリア・ハーバーのウォーターフロントに位置する同館は、20世紀から21世紀にかけてのヴィジュアル・アート、デザイン、建築、映像、香港のヴィジュアル・カルチャーの収集・展示を目的とした博物館。建築設計は、プリツカー賞の受賞建築家ユニットであるヘルツォーク&ド・ムーロンと、TFPファレルズ、アラップが共同で担当した。

M+の外観 Photo: Virgile Simon Bertrand (C) Virgile Simon Bertrand Courtesy of Herzog & de Meuron

 6万5000平米の建物には、1万7000平米におよぶ33の展示室に加え、3つの劇場、メディアテーク、ラーニングハブ、リサーチセンター、ミュージアムショップ、レストラン、ティー&コーヒーバー、そしてビクトリア・ハーバーを眺めるルーフガーデンが備えられている。また垂直タワーには、アーティストの映像作品を展示するための巨大なLEDファサードをはじめ、図書館、アーカイブ、美術館オフィスなども入っている。

The Found Space Photo by Kevin Mak (C) Kevin Mak Courtesy of Herzog & de Meuron

 同館のコレクションの基礎となっているのは、中国の現代美術を大量に収集しているスイス人のコレクター、ウリ・シグが寄付した約1510点の中国現代美術作品。1950年以降の美術をはじめ、建築、デザイン、映画、大衆文化など広範囲な視覚文化に関する5000点以上の作品と1万5000点以上の資料が収蔵されている。

The Sigg Galleries Photo by Kevin Mak (C) Kevin Mak Courtesy of Herzog & de Meuron
The South Galleries Photo by Kevin Mak (C) Kevin Mak Courtesy of Herzog & de Meuron

 現在、同館は環境の安定化、スペースの調整、常設コレクションの移動、コレクション作品やオブジェの設置などの準備を行っている。

 同館館長のスハンニャ・ラッフェルは、声明文で次のようにコメントしている。「竣工を記念して、開館の準備を本格化している。もうすぐ香港や海外からの訪問者をM+に歓迎できることを嬉しく思っている」。

M+ Photo by Kevin Mak (C) Kevin Mak Courtesy of Herzog & de Meuron