香港のコレクター、日本の現代美術作品をM+に寄付。会田誠やChim↑Pomも

香港のコレクターであるハラム・チョウが、アジアを代表する13人のアーティストやグループの作品を香港のヴィジュアル・カルチャー博物館「M+」に寄付。会田誠やChim↑Pom、鴻池朋子など8組の日本現代アーティストの作品も含まれている。

M+のイメージ (C) M+ Hong Kong

 香港に建設中の大規模なヴィジュアル・カルチャー博物館「M+」が、香港のコレクターであるハラム・チョウから、日本の現代美術を含む作品の寄付を受けたことを発表した。

 今回の寄付は、1990年代から2010年代にかけて制作された、アジアを代表する13人のアーティストやグループによる17点の作品で構成。会田誠、Chim↑Pom、鴻池朋子、小谷元彦、塩保朋子、高嶺格、照屋勇賢、ヤノベケンジといった8組の日本人アーティストの作品に加え、モンティエン・ブンマー(タイ)、イ・ブル(韓国)、リャン・ヨウウェイ(中国)、リウ・ウェイ(中国)、エイドリアン・ウォン(アメリカ)の5名の作品が含まれている。

会田誠 Space Shit 1998
M+, Hong Kong. Gift of Hallam Chow, 2019 Photo by Nagatsuka Hideto (C) AIDA Makoto Courtesy of Mizuma Art Gallery
Chim↑Pom Libido-Electricity Conversion Machine ‘EROKITEL’ Third and Practical Model 'KIBOU’ 2011
M+, Hong Kong. Gift of Hallam Chow, 2020 Photo by Kei Miyajima (C) Chim↑Pom Courtesy of the artist, ANOMALY and MUJIN-TO Production

 M+は声明文で、「今回の寄贈は、M+が日本の現代美術の包括的な枠組みを構築するための貴重な基盤を提供するものであり、タイ、中国、韓国、アメリカのアーティストの作品は、M+の広範なヴィジュアル・アートのコレクションをさらに多様化させるものだ」とコメントしている。

 M+の国際視覚芸術評議会の会長も務めているチョウは2016年と19年、ジュン・グエン=ハツシバ(日本)、タラー L.N.(インド)、ソピアップ・ピッチ(カンボジア)、ジョンペット・クスウィダナント(インドネシア)、エコ・ヌグロホ(インドネシア)といった南・東南アジアのアーティストの作品5点と、チェン・シャオション(中国)、ウー・ジーツォン(台湾)の作品2点を同館に寄付している。

ハラム・チョウ Courtesy of M+ and Hallam Chow

 今年の開館に向け、環境整備やコレクションの搬入、展覧会の準備を行っているM+は、アジア最大級のヴィジュアル・カルチャー博物館。そのコレクションの基礎となっているのは、中国の現代美術を大量に収集しているスイス人のコレクター、ウリ・シグが寄付した約1510点の中国現代美術作品。現在、同館のコレクションには、1950年以降の美術をはじめ、建築やデザイン、映画、大衆文化など広範囲な視覚文化に関する5000点以上の作品と1万5000点以上の資料が収蔵されている。

塩保朋子 Root of Heaven 2006
M+, Hong Kong. Gift of Hallam Chow, 2019 Photo by SCAI THE BATHHOUSE (C) Shioyasu Tomoko Courtesy of SCAI THE BATHHOUSE
鴻池朋子 Mimio-Odyssey 2005
M+, Hong Kong. Gift of Hallam Chow, 2020 (C) KONOIKE Tomoko Courtesy of Mizuma Art Gallery

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