香港に建設中の大規模なヴィジュアル・カルチャー博物館「M+」が、香港のコレクターであるハラム・チョウから、日本の現代美術を含む作品の寄付を受けたことを発表した。
今回の寄付は、1990年代から2010年代にかけて制作された、アジアを代表する13人のアーティストやグループによる17点の作品で構成。会田誠、Chim↑Pom、鴻池朋子、小谷元彦、塩保朋子、高嶺格、照屋勇賢、ヤノベケンジといった8組の日本人アーティストの作品に加え、モンティエン・ブンマー(タイ)、イ・ブル(韓国)、リャン・ヨウウェイ(中国)、リウ・ウェイ(中国)、エイドリアン・ウォン(アメリカ)の5名の作品が含まれている。
M+は声明文で、「今回の寄贈は、M+が日本の現代美術の包括的な枠組みを構築するための貴重な基盤を提供するものであり、タイ、中国、韓国、アメリカのアーティストの作品は、M+の広範なヴィジュアル・アートのコレクションをさらに多様化させるものだ」とコメントしている。
M+の国際視覚芸術評議会の会長も務めているチョウは2016年と19年、ジュン・グエン=ハツシバ(日本)、タラー L.N.(インド)、ソピアップ・ピッチ(カンボジア)、ジョンペット・クスウィダナント(インドネシア)、エコ・ヌグロホ(インドネシア)といった南・東南アジアのアーティストの作品5点と、チェン・シャオション(中国)、ウー・ジーツォン(台湾)の作品2点を同館に寄付している。
今年の開館に向け、環境整備やコレクションの搬入、展覧会の準備を行っているM+は、アジア最大級のヴィジュアル・カルチャー博物館。そのコレクションの基礎となっているのは、中国の現代美術を大量に収集しているスイス人のコレクター、ウリ・シグが寄付した約1510点の中国現代美術作品。現在、同館のコレクションには、1950年以降の美術をはじめ、建築やデザイン、映画、大衆文化など広範囲な視覚文化に関する5000点以上の作品と1万5000点以上の資料が収蔵されている。