ミニマル・アートやコンセプチュアル・アートなどの芸術活動で知られているアメリカ人のアーティスト、ソル・ルウィット。その制作活動をたどるアプリ「Sol LeWitt」が、マイクロソフトによってローンチされた。
ルウィットは1928年にコネチカット州ハートフォード生まれ。60年にニューヨーク近代美術館(MoMA)の職員となり、その経験は後の作品に影響を与えた。65年から2007年に逝去するまでは、MoMAやテート、サンフランシスコ美術館、ロサンゼルス現代美術館など世界中の美術館で数多くの展覧会を行い、国際的にも高い評価を得ている。
そんなルウィットの財団とマイクロソフトとのコラボレーションから生まれたアプリでは、ルウィットのスタジオをバーチャルに見学するや、世界中の壁に描かれたルウィットの作品をAIでスキャンするなどの機能が搭載。また、ニューヨークを拠点に活動するキュレーターでありルウィットの専門家でもあるリンゼイ・アベイルが執筆・キュレーションを担当したルウィットの作品の解説も、未公開の映像とともに紹介されている。
このアプリについて、アベイルは声明文で次のようにコメントしている。「私たちはテクノロジーを使って、彼(ルウィット)がどのように、そしてなぜ作品をつくったのかを説明することができる。ソル自身の声によるユニークなドキュメントや、ビデオ、スタジオ見学など、非常に深くて個人的なものとなるこのアプリは、これまで見たことがなかった」。
なお日本では、東京・新宿アイランドタワーと六本木ヒルズのテレビ朝日ロビーにルウィットによるパブリック・アート作品が設置。今回のアプリを使ってこれらの作品をスキャンすると、その制作背景を知ることができる。ルウィットの作品の魅力をアプリを通じて探ってみてはいかがだろうか。