京都市は、新型コロナウイルスによって大きな影響を受けている文化芸術分野を支援するため、新たな政策を発表した。
22日には、活動支援や活動再開に関する支援策の情報発信と相談に総合的に対応する「京都市文化芸術総合相談窓口」を開設。活動再開に向けた支援情報や、国や自治体の支援制度、クラウドファンディングによる資金調達など資金に関すること、あるいはオンライン配信に係る技術相談、契約書・著作権等の法律相談など専門知識に関することの相談に電話・メールで応じる。開設期間は2021年3月31日までで、対象は市内在住または市内に活動拠点のある文化芸術関係者。
加えて、クラウドファンディング(ふるさと納税型)を活用した「京都市文化芸術活動再開への挑戦サポート交付金」事業および「京都市文化芸術活動再開への発表・鑑賞拠点継続支援金」事業を開始。
挑戦サポート交付金ではプロジェクト実施に必要な金額を上限200万円まで交付。対象となる分野は、文化芸術基本法第8条〜第12条に基づいており、文学、音楽、美術、写真、演劇、舞踊などから映画、漫画、メディア芸術、雅楽、能楽、文楽、歌舞伎、組踊その他の伝統芸能まで幅広い。
いっぽうの継続支援金は、クラファンで調達された資金に応じて参画する施設に分配するため、現時点で金額は未定。両事業とも、9月~11月上旬にかけてクラファンを実施し、終了後すみやかに給付金額を通知・給付するという。
京都市は、すでに5月に補正予算のうち5000万円を充てた文化芸術活動緊急奨励金を創設するなど、自治体のなかでも比較的迅速な文化芸術支援を行ってきた。また6月には「京都の芸術家等の活動状況に関するアンケート」の調査結果を発表。個人では「生計が立てられない」と回答した人が5割を超えるなど、切実な状況が明らかになった。