2020年に生誕260年を迎え、大きな注目を集める浮世絵師・葛飾北斎(1760〜1849)。その特別展「北斎/HOKUSAI 2020」が、六本木の東京ミッドタウン・ホールにて開催される。会期は7月18日〜8月30日。
東京五輪の会期にあわせて開催される本展では、北斎を代表する作品である絵手本《北斎漫画》の全883ページと、《冨嶽三十六景》全46点、そして《富嶽百景》全102図を通期で展示するというこれまでにない展覧会だ。
《北斎漫画》と《冨嶽百景》は、北斎コレクターとしても知られる浦上蒼穹堂・浦上満のコレクション全点を展示。また、《冨嶽三十六景》は、山口県立萩美術館・浦上記念館が所蔵する「チコチンコレクション」(浮世絵コレクターのフェリックス・チコチンのコレクション)「浦上コレクション」(浦上敏朗のコレクション)を含む46点を展示することで、北斎の画業を代表する3つの作品すべてが集結する。
会場デザインは、フランスの「北斎ーグランパレ」(2014)の会場も手がけた建築家・田根剛が担当。北斎の3作品それぞれを研究・解読することで生まれたキーワードに基づき、作品ごとに異なるコンセプトを持つ空間が計画されているという。それぞれの展示室にはテーマが設定され、鑑賞者が「北斎の偉業・功績をスタディする」展示空間を実現する。
また本展では、凸版印刷による北斎作品の超高精細デジタルアーカイブを用いた没入型の大型デジタル展示も世界初公開される。