「移民」を広義に「外国にルーツを持つ人々」と設定し、彼らがつくり出す美術とその歴史、移民・難民と協働するアートプロジェクト、音楽や映画に見られる幅広い移民文化などを紹介した『美術手帖』12月号 「『移民』の美術」特集。
同特集に関連したトークイベント「『移民』『難民』とアクションとしてのアートを考える」が12月27日、東京・恵比寿のNADiff a/p/a/r/tで開催される。
出演者は、難民をガイドに東京をめぐる「新・東京修学旅行プロジェクト」、マクドナルドの店舗で難民が「教授」として講義を行う「マクドナルド放送大学」など、作品において移民・難民と協働してきた演出家・アーティストの高山明と、社会とアートの関わりに詳しく、アイ・ウェイウェイやバンクシーらアーティストの難民問題をめぐる試みについて紹介しながら、「アートによる社会変革」について考察する論考を寄せた文化理論家の清水知子。
「あいちトリエンナーレ2019」などを経て排外主義や差別への向き合い方も問われるなか、高山らの作品や活動にもふれながら、移民・難民をとりまく問題を出発点に、アートと社会・政治のかかわり、アートを通じたアクションの可能性について議論を展開する。