オーストリア・ウィーンにある、美術館や博物館の集合体「ミュージアム・クォーター」で開催されている展覧会「JAPAN UNLIMITED」 。日本とオーストリアの国交150年の記念事業として開かれていた本展の公認を、在オーストリア日本大使館が5日までに取り消した。毎日新聞などが伝えた。
「JAPAN UNLIMITED」は、ウィーン在住のイタリア人キュレーター、マルチェロ・ファラベゴリがキュレーションを担当。展覧会は、社会批判的な作品で美術の限界に立ち向かうアーティストを紹介しながら、現代美術の役割を検証しており、会田誠やChim↑Pomをはじめとするアーティストが参加している。
本展に出展されていた作品のなかには、会田が総理大臣に扮した映像作品《The video of a man calling himself Japan’s Prime Minister making a speech at an international assembly》(2014)をはじめ、昭和天皇、東京電力福島第一原発などを扱った作品があり、これを問題視したと思われる日本大使館は、11月5日までに公認を取り消した。
本件について参加アーティストのひとりである会田誠は、Twitterで以下のようにコメント。大使館による公認撤回が、ヨーロッパのマスコミを通じて拡散されることの意味を問いかけた。
僕やチンポムのような民間で活動してるアーチストも、イタリア人のフリーのキュレーターも無傷。傷を負ったのは「日本」という国ですよ。そのキュレーターは今日、ヨーロッパの大手新聞2社のインタビューを受けたそうです。ヨーロッパの多くの人々がどのような記事を近々読むか、想像できますよね?
— 会田誠 (@makotoaida) November 6, 2019
なお、公認取り消し後も、公式の公認ロゴが使用できなくなるのみで、展覧会は継続されている。