美術史に名を残す画家たちは、過去の作品から影響を受け、さらなる高みを目指すため、引用やパロディを手法とした創作を盛んに行ってきた。
そんなパロディを手法とした名画から刺激を受けたのが、放送作家として活躍する倉本美津留だ。倉本は、名画に少しの描き足しを施すことで、新たな価値観で見せようとくわだて、リスペクトと愛をもって笑いに昇華する書きとりを「パロディスム」と命名。
『パロディスム宣言』では、倉本の作品のほかに約50点の美術作品を紹介。取り上げたすべての作品を美術史家・宮下規久朗が解説。美術史におけるパロディの系譜を、3つのコラムとともに考察する。
また、巻末スペシャル企画として、しりあがり寿×みうらじゅん×倉本美津留の鼎談を収録。パロディが盛り上がりを見せた70〜80年代のサブカルチャーの話を中心に、「パロディ」のもつ奥ゆかしさと魅力に迫る。