マース・カニングハム(1919〜2009)はアメリカに生まれ、8歳からダンスを開始。39年にマーサ・グラハムと出会ったことをきっかけに、グラハム舞踊団に入団し、ソリストとして活動した。
その後、大学時代に知り合ったジョン・ケージとの本格的な協働をスタートし、舞踊と音楽で「同じ時間を共有しつつ、別の行為として提示すること」を模索。ロバート・ラウシェンバーグやアンディ・ウォーホルらとコラボレーションを行うほか、97年にはコム・デ・ギャルソンの川久保玲に衣装と美術を依頼した作品を発表。また、サイコロの目やコインの表裏による「偶然性」で構成や動きを決める、あるいは振り付けにコンピューターの3次元ソフトを用いるなど独創的な手法を取り入れた。
2019年は、そんなカニングハムの生誕100年にあたる年であることを記念し、誕生日の4月16日にイベント「Night of 100 Solos: A Centennial Event」が行われる。このイベントでは、53年から2009年までにカニングハムが発表したソロの100演目を、ロンドンのバービカン・センター 、ニューヨークのブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージック、ロサンゼルスのセンター・フォー・ジ・アートパフォーマンスの3拠点で上演する。
各都市25名が同一の100演目をパフォーマンスするため、すべての演目を合わせると300作品。参加ダンサーは20代前半から60年代後半まで、幅広い顔ぶれとなっているのも特徴だ。
なお本イベントは、全世界に向けてリアルタイム配信もされる予定だという。