NEWS / HEADLINE - 2018.11.3

独立行政法人国立美術館が所蔵作品検索システムを拡充。作品来歴を日英で追加

国立西洋美術館や国立新美術館などからなる独立行政法人国立美術館は11月3日、「独立行政法人国立美術館所蔵作品総合目録検索システム」を拡充したことを公表した。

国立西洋美術館外観 © 国立西洋美術館

 国立美術館4館(東京国立近代美術館京都国立近代美術館国立西洋美術館国立国際美術館)が所蔵する作品のデータを一元的に検索できる「独立行政法人国立美術館所蔵作品総合目録検索システム」をご存知だろうか?

 同システムではこれまで、所蔵作品の情報を作家名・生没年、作品名、制作年、技法・支持体・形状、署名・年記、初出展、収蔵年度、受入先、収蔵経緯、所蔵番号、所蔵館名、画像といった各作品の概要を伝える基本項目で公開。その数は2018年3月末時点で4万2857件となっている。

 そして11月3日、この検索システムに美術作品の歴史に関する情報(来歴・展覧会歴・参考文献歴)が日英2ヶ国語によって追加された。追加項目は、各所蔵作品が美術館への収蔵以前に誰によって所蔵され(来歴)、どのような展覧会に出品され(展覧会歴)、どのような文献に言及されたか(参考文献)といった、所蔵作品の歴史に関する情報。

 このデータベース項目追加に加え、京都国立近代美術館と国立国際美術館は蔵書を新たに公開。これまで東京の4館(東京国立近代美術館、国立西洋美術館、国立新美術館、国立映画アーカイブ)は、館内の図書室で蔵書を公開してきたが、関西の2館も今後は蔵書を公開し、研究者を対象に展覧会カタログ等図書資料の閲覧利用を可能にするという。公開図書冊数は、京都国立近代美術館が展覧会カタログ1万3316冊、国立国際美術館が展覧会カタログ3万1600冊、美術系図書1万7000冊、雑誌1500タイトルとなっている。

 美術館活動のなかで、不可欠かつ基本的役割を担う美術資料の情報共有基盤の強化を目指して行われた今回のアップデート。

 国立美術館によると、「美術館のあり方が問われるなか、海外の先導的役割を果たす美術館のウ ェブサイトに比べて専門的に高いレベルに到達していないという認識」から、同法人では2014年度に情報分野活動の専門性・国際性向上を目的とする専門の作業部会を設立。情報システム・組織体制の改革に取り組んできたといい、今回の新機軸の情報・資料公開はその第1フェーズとして実施するものだという。

 今後、第2フェーズとして、国立美術館全6館が持つ作品・図書・資料等の各種データベースを横断的に検索するシステムの公開を予定。「現在所蔵する作品・資料の精度の高い情報発信にこれまで以上に努めるとともに、関連の資料を積極的に収集し、日本・アジアにおいては西洋美術の、世界においては日本近・現代美術の研究の中心となることを目指す」としている。