ルー・ヤンは1984年中国生まれ。2010年に中国芸術院を卒業し、現在は上海を拠点に活動。科学、生物学、宗教、大衆文化などを主題とし、アニメーションやゲーム、3DCGといったデジタルメディアを用いた作品を発表している。
近年では、2015年に「ヴェネチア・ビエンナーレ」中国館に出展、17年夏には「アジア回廊 現代美術展」(京都芸術センター)に参加。『復活!カエルゾンビ水中バレエ!』(2011)など、インパクトある作品で話題となるヤンだが、生命の脆さや現代社会の歪みを、一貫してとらえ続けている。
日本初の大規模個展となる今回は、火、水、地、風を象徴する紙をモチーフとした映像インスタレーションの展示に加えて、ヤンが以前から興味を持っていたという日本のアイドル・ちゃんもも◎(バンドじゃないもん!)を起用した新作映像作品を発表。
幼いころから日本のサブカルチャーに親しんできたヤンは、「世界を理解するために、ある人は難しい哲学書に挑むかもしれないけれど、私の場合はアニメや漫画から深いものを学ばせてもらった。自分の作品もそういうものになれたら・・・・・・」と話す。二次元の世界に自らの存在を見出す人々も少なくないいま、ヤンの作品は、人々に新たな信仰心のかたちを提示するかもしれない。